★城郭関係文献リスト★
城郭全般について
・千田嘉博『戦国の城を歩く』筑摩書房、2009年
――ちくま学芸文庫。
・村田修三編『図説中世城郭事典』第1~3巻、新人物往来社、1987年
――縄張基本資料集。全国の主要な城郭について、正確な縄張図を掲載した上で、遺構について検討している。京都府については18の城郭を収録。
・千田嘉博・小島道裕・前川要『城館調査ハンドブック』新人物往来社、1993年
・千田嘉博著『織豊系城郭の形成』東京大学出版会、2001年
――本書所収の「織豊系城郭の成立」(初出は「織豊系城郭の構造」『史林』第70巻第2号、1987年)は、出入り口(いわゆる「虎口」)を基準に、織豊系城郭の編年を確立したもの。また、第?部は城郭研究史と城郭研究の主要な方法論を知る上で有用。
・『中世城郭研究』、『城館史料学』
――城郭関係の雑誌。
・村田修三編『中世城郭研究論集』、同『新視点 中世城郭研究論集』
・各地域の城郭悉皆調査報告書(滋賀県などに存在)
――京都府については、『京都府中世城館跡調査報告書』がある。
・CiNii
京都周辺の城郭について
・山下正男「京都市内およびその近辺の中世城郭――復元図と関連資料――」『京都大学人文科学研究所調査報告』第35号、1986年
――人文科学研究所の教授であった哲学者、山下正男氏が土日休日を利用して調査を行い書き上げた、京都市周辺の城郭のまとまった調査報告。復元も含めながら平坦面の位置を楕円で書いたシンプルな図と、城について文献や伝承から得られた情報が記載されている。
・足利健亮編『京都歴史アトラス』中央公論社、1994年
――京都の歴史地理を調べる際には必須の書籍。戦国期城郭分布図が便利(ただし、現在の遺跡台帳などと城郭の名称が一致しない場合があるので注意が必要)。
・今谷明『戦国時代の貴族』講談社, 2002年
――今谷明『言継卿記――公家社会と町衆文化の接点――』そしえて、1980年、を修正し、文庫化したもの。本書第二章のうち50頁ほどに、京都周辺の主な城郭の一つ一つについて、文献史料からの詳細な情報がまとめられている。ただし、旧版にあった『言継卿記』武家人名索引が省かれている。
・福島克彦『畿内・近国の戦国合戦』吉川弘文館,2009年
――前半では畿内戦国政治史が概説され、後半では合戦の実態や城郭を含む防御施設の性質などについて述べられている。
・福島克彦「洛中洛外の城館と集落――城郭研究と首都論――」高橋康夫編『中世のなかの「京都」』新人物往来社、2006年
――福島氏の論文。霊山城など多くの城郭の縄張図が掲載されている。
文献史料から京都の城郭の情報を得る
☆江戸期の地誌書。
・「雍州府志」 山城国に関する最初のまとまった地誌書。著名。
・「山城名跡志」 最も信頼性が高い(『戦国時代の貴族』による)。
・「山城名跡志」 実地調査に基づく点が特徴。
すべて野間光辰編『新修京都叢書』臨川書店、1968年に所収。
・『都名所図会』
――野間光辰編『新修京都叢書』臨川書店、1968年のほかに、ちくま学芸文庫やオンラインデーターベース(無料)も利用できる。
☆日記史料
『言継卿記』、『実隆公記』、『兼見卿記』、『二水記』などの公家日記は頻繁に利用する。寺院関係では、『厳助大僧正記』が有用。また室町幕府関係者の武家の日記、『大舘常興日記』、『蜷川親俊日記』が存在する。使えそうな日記やその刊本を探す際には、元木泰雄・松薗斉編『日記で読む中世史』ミネルヴァ書房、2011年などが役に立つ。
☆文書
・今谷明・高橋康夫編『室町幕府文書集成 奉行人奉書篇下』思文閣出版、1986年
・奥野高広『織田信長文書の研究』上・下、吉川弘文館、1969年・1970年
・桑山浩然校『室町幕府引付史料集成』上・下、近藤出版社、1980年・1986年
☆編纂物
・「続応仁後記」近藤瓶城編『改定史籍集覧 通記類第三』臨川書店、1983年
・「細川両家記」『羣書類従 第十三巻 合戦部』経済雑誌社、1900年
・『後鑑』(国史体系所収、全5巻)
・太田牛一著、奥野高広・岩沢愿彦校注『信長公記』角川書店、1984年
――信長公記は、上記の刊本が索引などもあり良いが、入手しにくい。
☆東京大学史料編纂所公開用データベース
――東京大学史料編纂所のウェブページで公開されている。横断検索を基本的には使い、場合によっては各データベースで詳細検索をする。